モバイラー中ちゃんの気まぐれ桜旅 title 2012年11月13日(火)
晴れ

2度目のネパールへ出発




旅日記

いつ見上げても期待と不安がよぎる出発表示板


搭乗機。


2006年に続いてネパールへ行く。秋に咲くヒマラヤザクラを探す15日間の旅だ。

こんなに長く海外へ行くのは初めて。しかも以前下痢で体調を崩した国。
また、ホントに花が咲いているかどうか、これが最適な時期なのかどうかも分からない。
でも、今シーズンはたまたま無職だ(笑)。今しか長旅はできないだろう。

2006年はパッケージツアーを利用し、タイ経由でネパールへ行った。(2008年頃までは関西空港−ネパールの直行便があったようだが、よく休航していたらしく特にパックツアーでは予定に組込づらかったようだ。)
現在では直行便はないが、最近では中国本土や香港トランジットというルートも増えた。今年は香港経由で行ってみる。
前回のニューヨーク・ワシントンDCに続き、今回も完全な個人手配の旅だ。

成田空港第2ターミナル。
新交通システムでサテライトターミナルへ。


5時に実家を出て、8時過ぎに成田空港第2ターミナル着。

チェックイン手続きを済ませ、USドルを買う(ネパールルピーは日本では買えない、USドルが通用する場面も多い)。

途中、カメラのフィルタが無くなっていることに気づいた。実家のどこかに落としてきたかも知れない。空港内にあったカメラのキタムラで約5000円で購入。余計な出費となる。

空港内のDoCoMoショップで情報を得た。ネパールはまだDoCoMoの海外パケ放題対象外だということが分かった。このSIMのままではスマホは絶対3Gにつなげない。請求が青天井になる。危険危険。あわててローミングをOFFに切り替えておく。

そしていよいよ出国、搭乗。

キャセイパシフィック航空には20年ほど前に乗って以来だが、スタッフの対応がとても気持ちいい。そんなにたくさんの国際線に乗ったわけではないけれど、今までで一番いいと思う。エコノミークラスの機内食も、量は少ないけれどまあまあだと思う。
広くて気持ちのいい香港国際機場。


搭乗機。


5時間20分ほどの搭乗後、香港国際機場で2時間ちょっとのトランジット。乗り継ぎの香港ドラゴン航空KA192便は、後で調べてみると遅延の常習犯だそうで(笑)今日も30分遅れ。土曜以外はバングラデシュのダッカ経由となり、1時間以上余計にかかる。

漢字の行き先表示が斬新に感じられる(笑)。
下2行がこれから搭乗するフライト。
「達」と「上下」が付いたような字で表されるのがダッカ、
加徳満都がカトマンドゥ。


隣席はサンフランシスコから来たお父さん(前の席にお母さんとお嬢さん)。40歳前後だろうか。
ネパールではポカラ発でアンナプルナ周辺のトレッキングに行くのが楽しみという。たった数時間のトランジットだったのに、香港でSDカード数枚分のビデオを撮ったというからすごいものだ。
私は久しぶりに使う英語で、うまく聞きもしゃべれもできず、意外と焦る(笑)。


2005年時点で、ネパールはアジアで最も貧しい国だった(一人あたりGDPが約300USドル、ちなみにこの時点で日本は約3万USドル)。
最新のデータでは、ネパールの一人あたりGDPが566USドルまで向上し、アフガニスタンを抜いたという。それでもアジアで2番目に貧しい国だ。
(ちなみに3番目はバングラデシュ(首都ダッカ)である。この飛行機は、香港を出て、アジアで3番目と2番目に貧しい国を結ぶ便だ。)

給与所得者の月収はだいたい1〜2万円くらいだそうだ。縁故採用が激しく、大学を出てもツテがないと思うようなところに就職できないという。国内には仕事が少ない状況らしい。

GDPだけで語れるものでもないだろうが、一応指標として使い続けると、農業が占める割合は35%にのぼり、周辺各国に比べて工業化が格段に遅れている。クルマや機械製品は隣国インドなどからの輸入に頼っている。
外貨獲得の最大の手段は観光。ヒマラヤなどの観光資源には恵まれている。ただ、道路などの基盤整備が遅々として進まない。

国内には仕事が少ないから、海外で働いて仕送りする人が多い。 インドなどからの海外送金はGDPの約24%を占め、この比率は周辺各国に比べると突出して高いそうだ。
私が入った日本のインドカレー屋さんで、実はネパール人の方が働いている確率は約8割にのぼる(笑)(あくまでも個人の主観です。もしかしたら私がネパール人のカレーに自然と惹かれているのかも)。現在日本で働くネパール人は2万人以上。料理人としての労働ビザは他の業種よりも取りやすいらしい。
これまた余談だけど、ネパール人が日本の観光ビザを取るのはとても難しいしめんどくさいそうだ。日本大使館における何度かの「面接」や身元保証人が必要という。日本政府が国内での違法就労を防ぎたいからだ。


ネパールの貧しさの根本原因は、混乱する政治にあるだろう。
2001年に、39年間在位してきたビレンドラ国王(東京大学にも留学経験あり)が王族殺害事件で死亡(他に十数人も)、ギャネンドラ国王(犯人とも疑われる)が王位についたものの、新国王は議会を停止。以後、国王・議会・マオイストによる混乱状態が続いた。
そのギャネンドラ氏は2008年に王権を放棄(贅沢三昧して王室費を使い尽くした挙句、と言われる)、王室は廃止され連邦民主共和制となったものの、政治の実態はまだ追いついておらず混乱が続いている。
最近では少なくなったものの、地方では毛沢東主義派(マオイスト)のテロリストが村をまるごと占拠するなどの武装闘争が続けられていた。マオイストは何人かの首相を出しており、現在の首相もマオイスト党出身だという。
余談だが、つい最近も公式な場での政治家どうしのなぐり合いがあったらしい。

国家予算は52.98億USドル(約4200億円)と日本のだいたい200分の1しかない。
なんとこの国には所得税という制度がないそうだ。これを定めようとすると、大金持ち(貧富の差が極めて激しいという)が声高に反対を唱えるため、導入にこぎつけることができないらしい。
そのような訳で、生活基盤、特に道路や電力供給などの整備におカネが回らないという。(水力発電に98%を頼っているため、乾季に1日8時間の計画停電はザラ。1日20時間も停電したことがあるとか。)

でも、ネパール人にはいい人が多い。
ネパール人は子供の教育には熱心で、英語を話せる子供がすでに半数以上を占めるという(一部はすでに、ネパール語を話せないそうだ)。英語を話せるインド人が英語圏のさまざまな仕事を分担している現状を考えると、将来ネパールがそうした仕事に手を広げていく可能性はあると思う。
しかも、子どもたちの目はきらきらしている。日本の子どもたちの数倍元気で明るい(笑)。

政治はダメだけど、個人レベルで努力している、というのが、私の印象だ。


そんなネパール。今回はどんな人たちに会えるだろうか。
そして、どんな桜を見ることができるだろうか。


ネパールの首都にある、カトマンドゥトリブヴァン空港。
6年前と同様、地面を歩いてバスに乗り込み入国手続きへ。
明かりも少ない。


結局30分ほど遅れて23時前にカトマンドゥ着。
15日間の滞在ビザを買い(25USドル)、入国審査を経て、荷物を受け取ってからゲストハウスの迎えのクルマに乗り込む。MARUTI SUZUKIの660CCワゴン車。かなりボロボロだ(笑)。日本だったら確実に廃車。
若い中国人女性が2人同乗していたが、中国人は苦手なので会話はよしておく(苦笑)。

車窓から見ると、やはり街の開発はほとんど進んでいないようだ。6年前のように道路も悪い。なんだか残念だなあと思うと同時に、これからの道行きがちょっと不安になる。

宿に着いたのは午前1時前。日本時間だと午前4時過ぎだから、実家出発後24時間近く経って居ることになる。くたびれるはずだ。

期待と不安の中、明日からヒマラヤザクラ探しが始まる。

参考資料
図説 ネパール経済2012(PDF、在ネパール日本大使館)
ネパール(Wikipedia日本語版)
ガイドブック 地球の歩き方 ネパール 2011-12年版
など


食事などの価格を記載していることがありますが、これは作成時点のものですので、お読みになっている際には変更になっている可能性もあります。


今日の食事
上左は旅立ちの定番のナス、「事をなす」につながるから、
上右は機内の昼食、魚の甘酢あんかけ、
下左は機内の夕食、シーフードパスタ、
サラダもパスタってところはちょっと考えて欲しかった(笑)、
下右は機内の夜食、ミートパイ


今朝までの睡眠時間:
4時間。緊張で寝る時間が少なかった。

今日のフライト:
キャセイ・パシフィック航空501便、成田10:40-香港15:00(+1h)でほぼ定時。フライト時間は5時間20分。機材はA330。
香港ドラゴン航空192便(キャセイ6732便コードシェア)、香港17:30-ダッカ経由-カトマンドゥ22:20(+2 1/4h)のところ、出発は結局50分ほど遅れ、到着は約40分遅れ。飛行記録サイトflightaware.comによると、香港離陸は18:32、ダッカ着陸は20:25(BDT)、離陸は21:44、カトマンドゥ着陸は22:53(NPT)。所定の所要時間は7時間5分。機材はA330。

今日の昼寝:
機内で2時間ほど。

今日自分で運転した車の走行距離:
なし

今日の宿:
Kathmandu Madhuban(マドゥバン) Guest House。ガイドブックと予約サイトで見つけて。
オーナーさんが日本語を話せるとのことで選んだ。(後でとても助かることになる)



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