モバイラー中ちゃんの気まぐれ桜旅 title

1999年2月28日(日) 快晴。

静岡県河津町のカワヅザクラ



1.
1999.2.28--静岡県河津町
ここは川沿いの桜並木だ。昨年見た河津駅の近くの桜並木から離れた場所なので、観光客はそれほど多くなく、ゆっくり桜を楽しむことができた。

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2.
1999.2.28--静岡県河津町
ここで見られるのは、カワヅザクラという品種だ。
全国各地でよく見かけるソメイヨシノに比べて花は一回り大きく、花の色はやや濃いピンク色だ。

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3.
1999.2.28--静岡県河津町


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4.
1999.2.28--静岡県河津町
河津七滝(ななだる)ループ橋とカワヅザクラ

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このページの写真は、すべてフィルムカメラとスライドフィルム(Fujichrome VELVIA)で撮りました。
デジタルカメラは使っていません。

伊豆 河津の桜について
問い合わせ先:
河津町観光協会 0558-32-0290

旅日記

今年もまたカワヅザクラの咲く時期になった。去年と同じくJRの特急スーパービュー踊り子号で伊豆に向かう。
前回とちょっと違うのは、一度体験してみたかった先頭車の展望席を予約してあることだ。先頭車の運転席の後ろの席が階段状になっていて、1号車のグリーン車の場合、3列分の座席から前方の景色を見ることができるのだ。人気のゲーム「電車でGO!」をやっているような気分になれる。ただ、伊豆に向かう方向の先頭車はグリーン車なので、普通車指定席に比べて2,800円ばかり出費がかさんでしまうのが困りものだ。
今日は天気がとても良くて、空も透き通るようにきれいだ。相模湾や伊豆半島の風景を、眺めのいい先頭車から思い切り楽しむことができた。グリーン券のもとは取れたような気がする。

河津駅で電車を降りると、暖かさを感じた去年とは違って少し肌寒い。
その去年の訪問のときはバスに乗り損ねて湯ヶ野温泉の桜を見逃してしまった。でも、後で聞いたら湯ヶ野の桜はあまり本数が多くないらしい。今回は、湯ヶ野よりもう少し山の中に入った河津七滝(ななだる)地区の花を見たいと思っている。ここは湯ヶ野よりも桜が多く、しかも今日あたりがちょうど満開らしい。

河津駅から河津七滝方面に向かうバスは満員で、通路にもびっしり人が立っている状態だった。私も運悪く通路の後ろのほうで立ちん坊。地元のおばあさんが、「いつもこんなに混むことはないんだけどねぇ」と苦笑していた。混んでいるものだから、途中で降りるおばあさんは通路の人をかき分けて進むのに苦労していた。
河津七滝のバス停では、私も含め乗客の半分近くが降りただろうか。ほとんどの人が滝を目指して去っていったが、私はすてきな桜を探して別の方向へ歩く。

事前に聞いていた通り、ここの桜はほぼ満開だ。桜にしてはやや濃い目のピンク色をした花が、一足早く春の喜びを私たちに運んでくれているかのようだ。
先日熱海桜を見たときもそうだったが、今日も空の色が濃くて、空を背景にして桜を見ると花の色が一層映える。

今日はたまたま「伊豆早春フラワーウォーキング」という行事が行なわれていて、そのルートの一つが七滝地区を通っていた。河津駅近くのゴールを目指してたくさんの参加者が歩いていく。きっと沿道にある満開の桜が彼らの疲れを癒しているに違いない。

ご存知の方も多いだろうが、ここを通る国道414号の一部がループ橋になっている。短い距離の中で、天城峠までの高さをかせぐために作られたのだろう。例えて言えば、らせん階段の勾配をゆるやかにして段差をなくし、車が通れるようにしたようなものだ。
昼食を食べた店で、ループ橋と桜が一緒に写った写真の絵柄のテレホンカードを売っていた。その写真は、ループ橋を見下ろせる場所から撮ったようだ。私もその光景を見たくなって、それらしい場所に行ってみることにした。
ループ橋周辺を歩き回ってみたが、その場所に行ける道はループ橋以外になさそうにみえる。しかたがないのでループ橋を歩いて上ることにした。
ループ橋はだらだらの上り坂で、半径40mほどで1周して高度をかせいでいく。半径40mということは、1周する区間の長さは40×2×3.14で約250mということになる。
橋の上の歩道は狭い。車がやや右に曲がりながら次々と私の横をすり抜けていく。車がちょっとでもハンドル操作を誤れば、私の身体は車と橋の欄干との間に挟まれてしまうだろう。しかも、車のほうは前方から歩行者が来るとは思っていないらしく、私を見た運転手は一様にちょっとびっくりしているみたいだ。もちろん、ループ橋を歩いているのは私一人。橋の横に斜面を真っ直ぐ登る階段でも作っておいてくれたら、歩行者は楽だし安全なのに。
私はびくびくしながら、歩行者にとって無意味に長いだらだら坂を無事上りきり、桜のある場所へと向かった。

ところが、さっきの写真の場所の桜はちっとも開花していない。なぜ坂の下の桜と咲き具合がこうまで違うんだろう。寒暖の差がそれほど大きいとは思えないのに。花を全く付けていない桜を見てしばし呆然となった。
近くのバス停で時刻を見ると、もうすぐ七滝方面行きが来るらしい。もう恐い思いをしてループ橋を歩くのはいやだと思いバスに乗った。私が20分以上かかって歩いてきた区間を、バスはたった3分ほどで戻ってしまった。

さて、七滝地区の桜に満足した私は、再びバスに乗って河津町の中心方面に向かった。バスを降りたのは踊り子温泉会館前。そこにあったのは、まだ新しい感じの温泉施設だ。
ループ橋を上ったりしてちょっと汗ばんでいるから、温泉でさっぱりしたいのはやまやまなのだが、陽があるうちに1枚でも多くの写真を撮りたいので今回はあきらめる。
温泉会館の横の河津川の堤防に出ると、そこも桜並木になっていて、河津駅のほうへ向かって続いている。だが、この辺りは河津駅近くに比べて若木が多い感じだ。
この堤防も「フラワーウォーキング」のコースになっている。参加者の中にはお年寄りの姿も多く見かける。みんな各々のペースでゴールを目指している。
時々立ち止まってはのんびり写真を撮り、ちょうど西側の山に太陽が隠れる頃、昨年訪れた河津駅近くの桜並木に着いた。平地で暖かいせいか、その場所の桜は少し散り始めている。だが、花見客の数は相変わらずすごいものだ。

来るときの電車で贅沢をしたので、帰りは普通電車で東京を目指す。長く停まる駅では決まって寝入っていたため、駅弁を買えなかったのが残念だった。


今日の食事 今日の昼寝:帰りの電車の中で1時間ちょっと。寝ている間でも移動ができるのは、電車の旅の利点だ。

今日の車での走行距離:0Km。

今日の宿:自宅


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